病院の取り組み

感染対策チーム(ICT)

 感染対策は病院の良心です。療養型病院ならではの特性を考えた効率的な感染予防を実施しています。特に環境整備や手指消毒にこだわりをもって取り組んでいます。また、療養ケアの中心である介護士がメンバーに入り、積極的にかかわっているのも当院の特徴です。チームは密に情報交換し、感染症専門医の監修のもと、日々改善を重ねています。外部研修や学会発表、そのあとの懇親会はチームのモチベーションを高め、新しいアイデアを生みます。当院のICTは真面目に楽しく、そして最上級の感染対策を目指しています。

患者さんも職員も過ごしやすい清潔な病院(環境整備へのこだわり)

 小原病院には、終業時にスタッフ全員で環境整備をします。これは十数年前からずっと行っているもので、小原病院の文化でもあります。
 環境整備をする(=清潔な環境を維持する)ことは、患者さんに気持ち良く療養生活を過ごしていただくために重要なことです。医療安全や院内感染対策の重要な柱であるだけでなく、職員一人一人が、「今日一日お疲れ様、また明日もお願いします」という気持ちになれます。消毒薬も匂いのないものを採用しています。

睡眠へのこだわり

 入院患者さんにとって睡眠はとても重要です。特に、マットレスにはこだわりを持っており、一般の病床には静音エアマットを、特別室には高級マットを採用し、快適な睡眠が得られるよう配慮しています。また、寝たきりの方や関節に拘縮のある方、終末期の方などの褥瘡(床ずれ)の予防にもなっています。

褥瘡(床ずれ)治療へのこだわり

 小原病院では半閉湿潤療法で褥瘡治療を行っています。湿潤療法は傷を早く、キレイに治す、患者さんファーストの治療法です。大きな外科手術をせず、不要な消毒をせず、組織の自然再生を促す治療法で、これまで多くの患者さんを治してきました。小原病院にはこの治療を受けることを望まれて入院される方もいらっしゃいます。

上質なおむつと交換頻度

 おむつにはこだわりを持っています。医療施設ではコスト重視とされることがよくありますが、当院は、快適な療養生活を送っていただけるように質にこだわっています。
 交換頻度も1日4回を基本とし、その他適時巡回にて交換をしています。スタッフは、効率的で清潔、かつ患者さんの負担を考慮した交換手順を考え、全員が徹底しています。

療養病院ならではの疼痛ケア

 癌を治す治療<Cure(キュア)>ではなく、患者さんの身体と心の癒しをもたらす<Care(ケア)>は、療養に特化した当院が最も大切にしている部分です。痛みに対する薬に専門的な知識を持ち、身体的な苦痛を和らげる医師、薬剤師、患者さんの痛みや不安を傾聴し心をいやす看護師、それをサポートし日々の生活に明るさと潤いを与えるコメディカルスタッフ。そのすべてが結集しないと、よいCareはできません。私たちは一丸となってCareにあたっています。

患者さんに寄り添うリハビリ

 当院には理学療法士が2名常駐しています。リハビリ専門病院ではありませんので、機械を用いたリハビリなどは行っていません。その分、リハビリスタッフは患者さんに寄り添い、ゆっくりお話しに耳を傾け、患者さんとお話しをさせていただいています。時には病棟を離れて外の空気に触れたりすることもあります。この時間は、からだの緊張をほぐすだけでなく、日頃心に留め置いている「心の緊張」をほぐすことにつながっていると自負しております。

院内イベント

 院内の多目的ホールにて春はさくらまつり、夏は七夕まつり、冬はクリスマスコンサートなど季節ごとにイベントを開催しています。毎回プロの歌手をお呼びして大盛況です。趣向をこらした院内の飾りつけも目玉の一つとなっています。
 また年に数回のドッグセラピーもいつもとは違う患者さんの生き生きしたお顔見ることができると大好評です。感染専門医師監修のもと希望者にはベッドサイドまでわんちゃんが訪問いたします。

院内レクリエーション

 カラオケ装置を導入しております。カラオケだけでなく、ラジオ体操や思い出映像なども流せます。談話室に設置しておりますが、移動式なので個室でも使用できます。

歯科医による検診

 当院は看護師による毎日の口腔ケアで状況確認する以外に、近隣の歯科医院とも連携し、歯科衛生士が定期検診をしています。看護師が異常を発見したり、歯科衛生士からアドバイスをうけた場合は、歯科医による往診をお願いしています。

歯ブラシ使い捨て

 歯ブラシは患者さんにとって非常に重要です。しかし、感染予防の問題から、大量の歯ブラシを清潔に管理することは非常に難しいです。当院では、使い捨て歯ブラシを採用し、いつもきれいなものを使っていただいています。

身体拘束

 当院は身体拘束の最小化を目指しています。
 身体拘束は患者さんの自尊心や尊厳を損ないます。統一された基準でアセスメントをして患者さんの生命に関わると判断されたとき以外は原則身体拘束を行いません。

散髪

 生活の質(QOL)を高める一環として、美容師の方出張していただき、患者さんの散髪をしています。身だしなみをととのえると気持ちも明るくなります。

訪問診療との連携(レスパイト受入)

自宅介護は、ご家族の負担が非常に大きいものです。加えて、介護にあたる方がご病気になられたり、ご旅行などで不在とならざるを得ない場合などは非常に困られることが多いです。医療的なケアを必要とし介護施設を利用しにくい場合には、当院に一度ご相談ください。当院受け入れ可能な患者さんであれば、1週間程度から長期まで、当院で療養いただくことができます。(現在お申込みが多く、原則として当院訪問診療をうけておられる方を優先させていただいておりますが、一度ご相談いただければ善処させていただきます)

在宅医療連携の会

 在宅医療は日々変化をしていき、複雑化しています。訪問診療部では、連携する訪問診療クリニックと共同で訪問看護ステーションの方や地域包括センター、ケアマネージャーの方々と勉強会や交流会を開催しています。知識を深めることはもちろん、ケアに関する情報交換や互いのコミニュケーションを図っています。2018年度は看取りに関する勉強会、交流会を開催しました。これからも地域医療を盛り上げるために続けていきます。

介護部の独立

 当院は介護部が独立しています。ほとんどの介護職は介護福祉士を取得しており、より丁寧でプロフェッショナルなケアを提供しております。

専属の清掃スタッフ

 青いユニフォームを来た清掃スタッフが、毎日病棟スタッフと連携しながら院内清掃を行っております。より安全で、効率よく、当院に適した清掃方法や機器、薬剤等がないかと日々模索しながら業務に励んております。

ニュースレター

 患者さんのご家族や職員向けとして、月に1回「小原病院ニュースレター」を発行しています。季節を感じる行事食のメニューや院内の日々様子やイベントの写真など情報が盛りだくさんです。

共有スペースの充実

 患者さんやご家族が事由にくつろげるスペースとして、さまざまな共有スペースを設けております。2F談話室はコーヒーマシンやタオルケットの準備もございます。屋上は植木や盆栽で季節を感じることができる屋上庭園として開放しております。
 また病院の1階通路には、検査室の職員が時節に合った作品を展示しています。入院患者さんだけでなく、外来患者さんや面会の方々も楽しみにしていただいております。

月曜会・木曜会

 現場の管理職と経営陣の垣根をなくすために、師士長以上の医療・介護職が参加できる「月曜会」を週に1回開催、また現場の問題や要望を聞き、検討する場として院長、副院長、師士長、事務職で「木曜会」を月に2回開いています。

職員向けカウンセリング

 職員に向けて外部の臨床心理士による心理カウンセリングを実施しております。トラブルを迅速に解決するよりも、日々の悩みを誰かに聞いてもらい、心を軽くすることに重きを置いています。
 職員の笑顔が患者さんの笑顔につながりますので、職員の心の健康を守ることが大変重要だと考えています。

高気圧酸素治療

 地下に高気圧酸素治療装置を設置しています。「高気圧酸素治療」(Hyperbaric oxygen therapy; HBO または HBOT)とは、大気圧よりも高い気圧の酸素中に患者さんを収容し、高濃度の酸素を吸入していただくことによって、治療や予防を行うことです。