ベッドサイドケア

看護が充実しております。

 私たちは、これからの療養医療は、看護が前面に出るべきであり、看護師が対応できない場合に限って医師を要請するという形態が理想と考えております。

 療養病院の顔は看護師であり、看護師が療養医療の中心的な役割を果たすべきではないでしょうか?患者さんに療養生活を快適に過ごしていただくためには、医療行為だけではなく、穏やかに過ごしてもらうための幅広いサポートが必要です。治療の主役は医師でも、生活の場をつくっていくのは看護師です。

 看護師に、豊富な知識や観察力は必要ですが、それだけでは十分とはいえません。現実に患者さんにとって良いことを「実践」しなくては意味がないのです。当院のナースステーションには、僅かなスタッフしかおりません。大半のスタッフは、患者さんの傍におります。一人ひとりの患者さんにとって、何が必要なのかを常に探して欲しいからです。これを実践するには、あたたかい思いやりが必要です。入院患者さんにとって病院は生活の場。一緒に暮らしお世話をする看護師は、彼らの家族でなくてはならないはずです。

 ベッドサイドケアとは、できる限り患者さんのそばにいて必要とされることを援助することです。ベッドサイドケアで行うこと自体は、洗髪、清拭、体の向きを変える…、そんなに特殊なことではありません。「できる限り患者さんのそばにいて、必要とされることを援助する」これがベッドサイドケアの精神です。日常業務を行いながら、この患者さんにとって何が必要なのか?患者さんの立場になり、どのようになればこの患者さんはより良い状態に近づけるのだろうと考え続けております。

 実際、当院には、意思を伝えることが困難な方が多いので、最初から先入観を持たずに入院患者さんの状態を正確に把握し、何が患者さんにとって大切なのかを推測し、実際の自分たちの援助する仕事に結びつけていきます。看護とは、援助行為が大半であると思っているからです。例えば、呼吸が苦しそうな患者さんを見かけたら、体の向きや姿勢を変えて、楽にしてさしあげることを私たちは最優先します。もちろん患者さんのお話を聞くことも含みます。生活の場で、自分の気持ちを伝える相手がいなかったら悲しいですよね?穏やかに生活してもらうことによる精神的安定は病気の回復につながるとされております。このように医学的に見てもプラスは大きいのです。このような考えから記録、申し送り、会議の時間は必要最低限として、ベッドサイドにいる時間を大切にしております。
 私たちの理想とする看護体制を実現するために厚生労働省が定めた基準以上のスタッフを配置しております。